窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)の役割と、不足/過多が招く症状を、
レモン(柑橘)を念頭に分かりやすくまとめました。
1. 窒素(N):葉と枝を育てる「エンジン」
窒素はタンパク質やクロロフィル(葉緑素)の主成分です。
不足症状:エネルギー切れの「黄白化」
| 症状 | メカニズム |
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古い葉から全体的に色が薄くなり、黄色っぽくなる。新芽の伸びが悪く、木全体がコンパクト(貧弱)に。
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窒素は体内で移動しやすい。新芽に必要な窒素が不足すると、古い葉のタンパク質が分解され新芽へ転送されるため、
古い葉から順に葉緑素を失い黄色化する。
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過多症状:メタボな「つるボケ」と病弱
| 症状 | メカニズム |
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葉が異常に大きく濃緑化し、枝ばかり旺盛に伸びる。花付きが悪化し、果実は皮が厚くスカスカに。
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過剰Nで細胞分裂が過度に促進。細胞壁が薄く柔らかい「水ぶくれ」様組織となり、
吸汁性害虫を招きやすく、病害抵抗性も低下。
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2. リン酸(P):花と実をつなぐ「エネルギー通貨」
リン酸は核酸(DNA)やATP(細胞のエネルギー源)の材料です。
不足症状:次世代を作れない「沈黙」
| 症状 | メカニズム |
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葉色が不自然に濃く、赤紫色(アントシアニン蓄積)を帯びる。最大の特徴は、花が咲かない/結実せず落果。
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ATP不足でエネルギーを要する「生殖成長」がストップ。糖代謝も滞り、アントシアニンが葉に蓄積して色調が変化。
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過多症状:間接的な「栄養失調」
| 症状 | メカニズム |
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葉が黄色化したり小型化したりする(微量要素欠乏様の症状)。
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リン酸自体の毒性は稀だが、土壌中で鉄(Fe)や亜鉛(Zn)と結合して不溶化。
その結果、レモンはFe/Znを吸収できず、二次的に葉脈間黄化などの欠乏症が発生。
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3. カリウム(K):水分と糖度を操る「コントローラー」
カリウムは酵素活性化や細胞の浸透圧(水の出入り)を調整します。
不足症状:水不足のような「縁枯れ」
| 症状 | メカニズム |
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葉の縁が茶色く枯れる。果実は小さく、酸味が非常に強くなる。
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Kは気孔の開閉を司る。不足で蒸散制御が乱れ、末端まで水が届かず縁から枯れ始める。
また、糖の転流が弱まり、果実が甘くならない。
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過多症状:ミネラル強奪による「組織崩壊」
| 症状 | メカニズム |
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葉先のチップバーン(先枯れ)や斑点状の壊死。品質の不安定化。
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Kが過多だとCa・Mgの吸収を拮抗阻害。特にCa不足で細胞間を接着するペクチン合成が滞り、
組織が脆くなって枯れやすくなる。
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まとめ:レモン栽培のバランス表
| 成分 |
不足(欠乏) |
過多(過剰) |
| 窒素(N) |
古い葉から黄色化・成長停止 |
枝ばかり伸びる・病虫害に弱くなる |
| リン酸(P) |
花が咲かない・葉が紫色を帯びる |
鉄・亜鉛不足による葉の黄化(間接的欠乏) |
| カリウム(K) |
葉縁枯れ・果実が小さく酸味が強い |
カルシウム不足(葉先枯れ・果実劣化) |
動画で知る(レモンの黄化の原因は?)